「コウペンちゃん」をはじめ、癒しあふれるスタンプ/絵文字を次々と生み出するるてあさん。
LINE Creators Market 2月度月間MVPクリエイター・トップクリエイター部門も受賞されていますが、今回はぐっと濃い内容のインタビューをお届け。作品に共通する魅力的な世界観の誕生秘話や、LINEクリエイターとして活躍をめざすビギナーさんへのメッセージなど、るるてあさんにたっぷりうかがいました。
──LINE Creators Market 2月度月間MVPクリエイター・トップクリエイター部門を受賞されたるるてあさんですが、今回のインタビューでは制作環境やライフスタイルなど、少し濃いめのお話もうかがえたらと思います。
るるてあ:ありがとうございます! コウペンちゃんというキャラクターを主に描いているイラストレーターです。普段はツイッターでイラストを毎日更新していますので、そちらもぜひご覧ください!
https://twitter.com/k_r_r_l_l_
──るるてあさんがスタンプや絵文字を制作している環境について、お聞かせください。
るるてあ:スタンプを作るときは、普段から使用しているけっこう古めのiPad Proで、CLIP STUDIO PAINTという描画ソフトを使用して絵を描いています。
CLIP STUDIO PAINTはパソコンとも互換性があるので、普段のイラストのお仕事ではパソコン用の液晶タブレットと併用することもあります。ただ、スタンプや絵文字の制作はiPadだけで行うことがほとんどです。
iPad用の画面保護フィルムで、紙にペンで描くような描き心地にしてくれるものが選べるのですが、ペンの引っ掛かり具合が気持ちよくて気に入っています。
──LINEクリエイターとしての他には、どんなお仕事をしていますか?
るるてあ:現在はイラストレーターとして活動をしています。自分のオリジナルキャラクターを描く機会が多く、グッズの販売や企業さまとのコラボをさせていただいています。
現在のように専業のイラストレーターになる前は、まったく違う仕事をしていましたし、毎日電車で通勤していました。でも、そのころの経験や感じたことを通じて生まれた絵を評価していただけたと今も思っていて、あらためて無駄ではなかったなと感じています。
──るるてあさんの日常生活やライフスタイルについても、ぜひお聞かせください。
るるてあ:イラストレーターのお仕事を始めて4年ほど経ちますが、正直4年前とライフスタイルはほぼ変わっていないような気がします。というのも、通勤などの機会がなくなって外出も減り、自宅でひたすら絵を描く日常を送っているからです。
背景などキャラクター以外の部分を描くときは、自分の目で見たものや感じたことを描きたくて現地へ取材に行くこともあります。でも今はコロナウイルスの影響で移動に制限がありますし、開催するはずだったイベントができなくなることもありました。
今では、できないことを気にしても仕方ないと気持ちを切り替えて「できることをやるのが大事」と再認識できたと思います。
スタンプや絵文字の作風も、当初と変わっていないと思います。全力で褒めたり認めたり、背中を押してあげたりすることを「世の中そんなに甘くない」と批判を受ける機会もありました。でも、「自分にできることはやっぱりこれ。今できることをやろう」という1点を意識し、何とかぶれずに制作活動を続けられていると思います。
──作風などに影響を受けたものを教えてください。
るるてあ:コロナ禍の期間に入るよりも以前からですが、小説家の森見登美彦さんの作品がとても好きです。作品の不思議な世界観や登場人物の口調には、自分のキャラクターや世界観にだいぶ影響を受けているなと自分でも感じています。
過去には森見さんの小説が映画化された際に宣伝に関わらせていただいたこともあり、とても感慨深い思い出になっていますね。
──LINEスタンプの制作は、るるてあさんのお仕事のなかでどのような立ち位置になっていますか?
るるてあ:イラストをお仕事にしている以上は、好きで見てくださるみなさまからお金を出していただくことで生活できています。そのお陰で、私もまたイラストを描くことができます。
さまざまな商品を提供するなかでも、LINEスタンプは最も手軽に購入できて、気軽に使うことのできるコンテンツだと捉えています。
LINEスタンプを送って送られて、その些細なやり取りで誰か1人でも元気になってくれることで、ああ、これを仕事にして良かったなと私も胸を張れるんです。
──今後の目標についても、ぜひお聞かせください。
るるてあ:私自身も、自分のキャラクターたちもとても恵まれていて、今までやってみたいと思った以上にいろいろなことを、この数年で実現できてしまいました。
今までもこれからも、キャラクターたちを盛り上げてくれている関係者のみなさんや、それを応援してくださるファンの方々が幸せになれるコンテンツでありたいなと願っています。
今のコロナ禍が収束したあかつきには、ファンミーティングも開催してみたいですね。私もコッソリ参加しちゃったりして。笑
──LINEクリエイターとして活動する方や、クリエイターをめざす方にアドバイスをひと言お願いします。
るるてあ:私はたまたま運が良かっただけという思いもあって、アドバイスできる立場ではないのかもしれませんが……。強いて言うなら、何も作らないという0の状態から、とりあえず下手でも良いので何かしら形にしてみるという1を作ることが、何よりも大事なのではないかと思います。
実際に、0の状態から1を作ることが、クリエイター活動のなかで一番大変なことです。でも、その段階から絵が上手である必要はないと思います。私も、絵に自信があるとは言い切れません。
絵を描いていると、絵がどれだけ上手いかではなく、自分の持つ技術で表現したいものを作れているかが大事だなと思います。0から1を作ったけれど、それでは足りないと感じたときに、次の2を作るための技術を磨くと良いと思います。100や200のような最高峰の技術がないからとあきらめず、まずはやれる範囲でお気軽・お手軽に始めてみよう! ……そんな風で良いと、私は思います。
──今後のご活躍も全力で楽しみにしています!ありがとうございました!
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